中学校 理科 1年 【1-3身のまわりの現象 読み物 (p.183)】

光ファイバー

光の全反射を利用して,光を遠方まで伝達できるように作られたのが光ファイバーです。光ファイバーは髪の毛ほどの太さで,2種類のガラスの繊維でできています。光ファイバーの中に光を通すと,光は2種類のガラスの境界面で全反射をくり返しながら進んでいきます。
光ファイバーは,光通信のケーブルなどに利用されています。


ピアノのしくみ

グランドピアノは,鍵盤をたたくと,弦が振動して音が出るしくみになっています。たたく鍵盤によって決まった高さの音が出るように長さや太さのちがう弦が張られています。音の大小は鍵盤をたたく強さで決まります。
低い音を出すためには長い弦が必要で,そのために,グランドピアノは奥行きが長く作られています。

ヒトには聞こえない超音波

動物によって,聞くことのできる音の振動数の範囲は大きくちがいます。ヒトの場合,聞くことができるのは,20Hzから20000Hzです。ところが,イヌやネコはヒトよりも2倍から3倍高い音も聞くことができます。
ヒトが聞くことができない高い音(20000Hz以上)を「超音波」といいます。つまり,イヌやネコは超音波を聞くことができるのです。さらに,ほ乳類の中でも,とりわけ振動数の多い超音波を聞くことができるのはイルカやコウモリです。
イルカやコウモリは超音波を聞くことができるだけでなく,超音波を使った特殊な能力をもっています。たとえば,コウモリは自分自身が50000Hzから90000Hzの超音波を出し,それがまわりの物体に当たってもどってくるのを聞いて,物体の位置や形をとらえています。
このように,イルカやコウモリには,超音波を使って,目で見なくても物体の位置や形を知ることができる能力があります。
病院で使われる超音波診断機は,人体の内部に超音波を出し,はね返ってきた超音波をとらえ,コンピュータが分析して,体内のようすを画像としてえがき出す機械です。これは,イルカやコウモリの超音波の利用ととてもよくにているといえます。
また,超音波は,海洋では魚の群れを探す探知機や,海底地形を調べる探知機などにも利用されています。

垂直抗力はどのようにして生じるか

机などの面は,どのようにして垂直抗力を生じさせているのでしょうか。
うすい板を橋のように渡し,その上に物体を置くと(図(a)),板は物体によって下向きに押され,変形します。変形した板は,もとの形にもどろうとして,ばねのような弾性力(変形した物体がもとにもどろうとして生じる力)を生じさせ,物体は上向きの力を受けます。
机の上に物体を置いた場合,厚い板でできた机の面は変形したように見えません。しかし,実際はわずかに変形し,このとき生じた弾性力が,机の面から物体が受ける垂直抗力となります(図(b))。



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