中学校 理科 2年 【花火を色づかせる「炎色反応」 読み物 (p.58) 】

打ち上げ花火が美しい理由の1つは,赤色,青色,緑色,紫色,だいだい色というように,様々に色づいたきらめく火花です。これらの色を出すため,花火で使われる火薬には,いろいろな金属の化合物が混ぜられています。
それぞれの化合物にふくまれる金属原子は,火薬が燃焼するときの高温の炎の中で熱のエネルギーを吸収し,そのエネルギーを決まった色の光として放出する性質があるのです。
赤色の光のもととなる化合物は炭酸ストロンチウムで,色を出している金属原子は原子番号38番のストロンチウム(Sr)です。また,黄緑色の光のもととなる化合物は硝酸バリウムで,色を出している金属原子は原子番号56番のバリウム(Ba)です。さらに,青緑色は酸化銅で原子番号29番の銅(Cu),黄色はシュウ酸ナトリウムで原子番号11番ナトリウム(Na)が色を出しています。
このように高温の炎の中で金属原子から色が出る反応を「炎色反応」といいます。
炎色反応は,金属原子を含む身近な化合物でも見ることができます。アルコールをしみこませた脱脂綿を小さなアルミカップに入れて燃やし,塩化ナトリウムの粉末を少量ふりかけるとナトリウムの黄色の炎,塩化カルシウムを含む除湿剤ではカルシウムのオレンジ色の炎,ミョウバンではカリウムの紫色の炎,ホウ酸ではホウ素を含むので緑色になります。



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