細胞の発見
細胞を最初に発見したのは,イギリスのロバート・フック(1635〜1703年)です。彼は,ばねの伸びの「フックの法則」を発見した科学者でもあります。
彼は,顕微鏡を使って,カビやノミといった生物などを観察しました。あるとき,彼はうすく切ったコルク片(コルクの木の皮)を観察し,それが小さな部屋の集まりからできていることを見つけました。1665年に,フックはこれを「cell(小部屋という意味)」と名づけて報告しました。後に,cellは細胞をさす言葉になりました。
その後,19世紀前半にドイツの科学者シュライデンやシュワンの研究により,「植物も動物も細胞を基本単位としてできている」という考えが発表され,また,細胞のつくりなども明らかになってきました。
植物がつくる養分と私たちの食物
植物が,種子やいもから芽を出して成長し始めるときには,たくさんの養分が必要です。そのため,植物は種子やいもの部分にデンプンなどをたくわえます。
トウモロコシ,イネ,コムギなどの種子や,ジャガイモなどのいもは,昔から私たちの生活になくてはならない食物となっていて,これらの植物は世界中で栽培されています。また,果実も,養分がたくわえられた大切な食物です。
大気中の酸素は光合成によりつくられた
地球が誕生したのは約46億年前のことです。そのころの大気は,主に二酸化炭素や水蒸気からなり,酸素はほとんどふくまれていなかったと考えられています。
やがて,大気中の水蒸気が雨となって地表に降り注ぎ,海がつくられました。大気中の二酸化炭素は海水に溶けこんで,大気中の二酸化炭素は減少していきました。
約38億年前には,海水中に最初の生物が出現し,その中から,約27億年前,光合成を行うなかま(ランソウとよばれる生物)が出現しました。ランソウは,さかんに光合成を行って酸素を放出し,やがて大気や海水中の二酸化炭素がしだいに減少し,逆に酸素が増加していきました。その後,植物などが出現し,長い時間をかけて,現在の約20%の酸素をふくむ大気がつくり出されました。
ストロマトライトという,ランソウの活動によってつくられる岩石があります。ストロマトライトは,さまざまな地域の大昔の地層から見つかっています。また,現在でもオーストラリアの海岸では,ランソウの活動でストロマトライトがつくられています。
高血圧に気をつける
心臓から送り出される血液により血管にかかる圧力が「血圧」です。この圧力による,動脈の壁の伸び縮みを「脈拍」といいます。血圧の数値や,1分間の脈拍の回数は,体温とあわせて,体調を診断するときの最もいっぱん的な基準になっています。
日本人の成人の間では,血圧が正常値よりも高くなる「高血圧」という病気の割合が非常に多いことが問題となっています。高血圧が続くと,血管が本来もっている弾力性がなくなり,心臓や血管のさまざまな病気を引き起こすからです。
高血圧になる原因として,塩分のとり過ぎの影響が大きいため,子どものころから薄味に慣れ,そのかわりに香辛料などをうまく使って料理の味付けをすることが勧められています。
動物による器官のちがい
●魚の呼吸器官
魚やおたまじゃくしなどは,えらから水中に溶けている酸素を取りこみ,からだの中の二酸化炭素を排出します。えらは,粘液におおわれています。また,多くのひだがあることにより,表面積が大きくなっているので,水を通じて効率よく気体を交換できます。
●心臓のつくり
心臓のつくりは,下の図のように動物のなかまによって異なっています。ニワトリやネズミの心臓のつくりはヒトと同じですが,カエルやカメでは,動脈血と静脈血が混ざり合うつくりになっています。
鳥の呼吸器官
鳥は「飛ぶ」という激しい運動を続けるために,肺でたくさんの酸素を取り入れる必要があります。しかし,鳥の体内には,肺をふくらませたり,縮めたりする横隔膜のようなつくりはありません。
鳥の場合,肺につながった袋(気のう) がたくさんあり,これがふくらんだり縮んだりすることで,息を吸うときもはくときも,肺にはつねに新しい空気が送られます。このつくりは,ほ乳類のように,空気をはくときに酸素を取りこめないつくりと比べて,効率よく酸素を取りこむことができるのです。